森林組合の目的

 森林組合は、森林所有者の経済的社会的地位の向上を図る協同組合的性格と森林の保続培養及び森林生産力の増進を図る公益的性格の2つを併せ有する団体です。
「森林組合法」という特別法に基づいて設立されており、森林組合の運営についてはいわゆる協同組合原則に準じて行われています。
 また、地域住民の生活環境の保全にとって重要な役割を担うとともに持続可能な森林・林業の整備促進を図る事業体として位置づけられています。

組織と運営について

 森林組合は基本的に各市町村段階の単位森林組合と都道府県段階の都道府県森林組合連合会、そして全国段階の全国森林組合連合会と3段階の系統組織を構成しています。
 単位森林組合は組合員の加入及び脱退の自由、一人一票制、任意設立、出資配当の制限など協同組合組織としての相互扶助を基本に運営しています。
 また、都道府県森林組合連合会は、それぞれの単位森林組合を会員とし会員の出資により設立され、その組合員を含む構成員のためのいろいろな補完事業を実施しています。
 全国森林組合連合会は、45道府県森林組合連合会及び2森林組合を会員とし同じ様に運営されています。
 全国で151万人の組合員により621組合が設立されており、8,921人の役員と6,692人の専従職員、15,418人の作業班員とともに森林の整備と林業生産活動に取組んでいます。(平成29年度「森林組合統計」より)

事業規模

 森林組合系統組織全体の規模は出資金約544億円、事業総収益約2,425億円で事業量では、木材取扱量(林産・販売)約959万立方メートル、造林(植林)面積約16千ha、保育面積約18万haにのぼっています。(平成29年度「森林組合統計」より)

事業活動

 わが国の森林所有者たる組合員はその所有する森林面積が比較的小規模であるため原則として森林組合に森林の整備や木材の生産販売の業務を委託しています。
 森林組合では、加入組合員のために林業経営の相談・指導、各種森林施業の受託、資材の共同購入、林産物の共同販売、資金の融資や林地の斡旋、森林保険の取扱いなど幅広い事業活動を展開しています。
 また地域森林の適正な管理を行う事業主体として市町村との連携のもと森林のもつ公益的機能の発揮への取組みによる地域住民生活の保全も図っています。
 また都道府県・全国連合会は、単位森林組合のいろいろな事業活動に対し上部団体として指導や補完する事業を実施しています。

主要事業について

〔指導部門〕

指導事業

森林づくりの指導、木材の生産や販売の情報提供、林業補助制度、林業金融・税制の相談など、森林づくりのアドバイザーをしています。

〔販売部門〕

林産・販売事業

組合員などの立木を買い取り生産販売をしています。

〔森林整備部門〕

森林整備事業

造林(新植)や森林の健全性の確保に必要な間伐等の森林施業を推進します。

利用事業

森林の調査、森林施業の受託、森林保険の取扱いなどを行っています。

購買事業

森林整備の苗木や防除薬剤の斡旋、林業用機械、肥料などを供給しています。

金融事業

日本政策金融公庫の造林・林道資金、林業機械や施設資金、森林取得資金ほかを貸付しています。