円山100年カラマツ
 〜樹齢100年以上の木をさらに100年活用する〜

 事務所の玄関に入った正面の壁と階段の下面にカラマツを使用しています。

 このカラマツは1906年頃に札幌市の円山公園に植えられたもので、北海道で最も古いとも言えるカラマツ人工林から産出された木材です。

 このカラマツは幾多の風雪にもよく耐え良好に育ちました。1981年に北海道を襲い未曾有の大被害をもたらした台風により同じ人工林内のカラマツは多くが倒木してしまったにも関わらず、その台風被害にも耐えぬいた樹木です。しかし、その後100年を越える頃から上部は立ち枯れが進み、下部も腐朽が進行し倒木の危険が増したことから、隣接道路の通行人の安全を確保するため2018年に伐採されました。

 札幌市から依頼され、札幌市森林組合が伐採したところ、伐倒木の上部と下部は腐朽が著しく進んでいましたが、中断部分はしっかりとし木目も均質鮮やかであったことから、組合では「植えられたカラマツは100年以上を経て伐採されたが更にこれからの100年を木材として生かしたい」と考えられ、製材後、道森連に寄贈されました。

 道森連では、このような幅広で厚い板は道内カラマツ人工林材では類を見ない逸品であるため、カラマツが内装材にも利用できることを普及する目的で正面玄関の壁などに使用しました。

 なお、1981年の台風で倒れた兄弟のカラマツは、風倒直後に札幌市盤渓にあるスキー場のロッジに使われ、今でも風格を醸し出しながら立派に使われています。

 寄贈者:我満 嘉明氏、札幌市森林組合 両者

  • 森林組合ロゴ画像
     風除室にはサンドブラスト処理でロゴを入れ使用しました。
  • 階段底面画像
     階段の底面にも使用しました。